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ギャップ萌えのイイ女は、ボランジェを飲む

  100人の映画ファンに、「最も男臭い俳優は誰か?」と聞くと、100通りの答えが出るだろう。で、ワイン愛好家に、「シャンパーニュで一番男性的なのはなに?」と質問すると、98人は「ボランジェで決まりだよ」と回答するはずだ。
シャンパーニュのメゾン(元の意味は「家」で、生産者のこと。「メゾン」は、ボルドーとブルゴーニュという「銀河系での赤ワインの2大巨頭」や、カリフォルニアの生産者には使わず、シャンパーニュ限定みたいな雰囲気がある。なので、さり気なく「この『メゾン』のシャンパーニュが好きなんです」と言えると、カッコよさを演出する切り札になる)は、イメージを大事にする。

ぶどう畑上空からの写真
シルエット

  私にとって、ボランジェ社のイメージは、「心優しい野武士」だ。裸馬に跨り、一日千里を駆け、1kgの生肉を食い、一口で1リットルの酒を飲む。でも、女性に対して節度を重んじ礼儀正しい。古い言葉で表現するなら、「粗にして野だが、卑ではない」という感じ。あるいは、フィリップ・マーロウみたいな、ハードボイルド系のタフなのに気持ちの優しい私立探偵のような雰囲気が満載だ。

  183cm、76kgと均整の取れた男らしい体格をしていて、美食と美女にしか興味を示さないのが、女王陛下の諜報部員、ジェームス・ボンド。ボンドが飲むシャンパーニュは映画ごとに異なるけれど、50%以上という「シリーズ最多出場率」を誇るのがボランジェだ。美女に対してカッコよくアプローチする場面では、必ず、切り札的にボランジェが出てくる。初登場は、第8作目の『死ぬのはやつらだ(1973年作)』。007シリーズで、ロジャー・ムーアが初登場した作品といえば、思い出す人も多いはず。イギリス映画なので、ボンドは、スクリーンではBollingerをフランス語読みの「ボランジェ」じゃなくて、英語風に「ボリンジャー」と発音している。日本では、「ボランジェ」の方が通ぽくってカッコイイと思う。

ワイン画像

   世の中の男性には、大きなギャップのある女性に好意を持つという、いわゆる「ギャップ萌え」が物凄く多い(私もそうデス)。エレガントで教養に溢れた役員秘書が、実は休日にトライアスロンをやってますとか、ショートカットのボーイッシュな女性ITエンジニアが、お琴の名手だったり。当の女性は、自分の好きなことを当たりにしてるだけなのに、男性から見ると、「あぁ、そのギャップがたまらない……」と身悶えする。お酒で、手軽に「ギャップ萌え」を演出したいなら、ボランジェが切り札になる。フレンチ・レストランやショット・バーへ行き、最少面積のドレスで装ったスタイリッシュな女性が、「じゃあ、ボランジェをグラスでいただきます」なんて言うと、瞬時に時計が止まり、周囲の男達の会話も止まる。「うわぁ、男前な注文をするオネエサンがやってきたぁ」と大注目を浴びるに違いない。

女性

ボランジェが「最も男臭い」というのは、イメージのお話し。目隠しで飲んで、「これが一番ドッシリしてるから、ボランジェだね」とピタリ当たる人はほとんどいない(と思う。少なくとも、私には当たらない……)。実際に飲んでみると、キリッと口当たりがよくて、実に美味い。ボランジェを正しく悪用して、「エレガントなのに男前」というギャップの切り札にしてほしい。

商品ライナップ

ライター葉山考太郎

時間と金と人間関係を犠牲にシャンパンを偏愛するワイン・ライター。ワインの年間純飲酒量は400リットル超。2010年にシャンパーニュ騎士団オフィシエを受章。『ヴィノテーク』『神の雫』『シグネチャー』『財界さっぽろ』『ふらんす』等にコラムを連載。主な著書は、『30分で一生使えるワイン術(ポプラ社)』、『今夜使えるワインの小ネタ(講談社)』。

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