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  • — ブランドストーリーレアで超スタイリッシュなアンリ・ジロー

— ブランドストーリーレアで超スタイリッシュなアンリ・ジロー

   美女が、「あたし、ワインのことなんかさっぱり分かんないの。でもシャンパーニュが好きよ」と言うのは、「クルマのこと、何も知らないんで、ママのを借りてきたの」とベンツの2シーターに乗ってくるようなもの。純粋培養の「育ちの良さ光線」がバチバチ出て、周囲の男連中は目が眩む。これがシャンパーニュの威力。シャンパーニュを切り札に、イイ女を演出してほしい。
月に1本シャンパーニュを飲む「シャンパーニュ道の黒帯」のスタイリッシュなオネエサマにおススメしたいのが「レコルタン物」のシャンパーニュだ。

   シャンパーニュには、ネゴシアン物とレコルタン物がある。ネゴシアン物とは、自社畑のブドウでは足りず、ヨソからも買って作る大規模生産者。トヨタや日産みたいな超大手のイメージがあり、大量生産、近代的、キチンとした品質管理や生産管理を連想する。聞いたことのある有名なシャンパーニュ・メゾンは、大部分がこれだ。一方、レコルタン物は自社畑のブドウだけで作る超小規模生産者。兄さんが社長、妹さんが専務という2人だけの個人会社みたいなもので、微量生産、家族経営、手作りがキーワードだ。

   両者の識別は超簡単。ラベルの最下に極小文字でNM12-345と印刷してあればネゴシアン物(Mは「マニピュラン」の略)、RM123-45ならレコルタンだ(数字はメゾンの識別番号なので、生産者によって変わる)。ラベルをちらっと読んで、「これ、レコルタンなのね。珍しい」と言うと、画廊の絵をチラ見して「これって、アンディー・ウォーホルが描いた絵ね」とさらっと言えるぐらいカッコイイ。こんなことも、「シャンパーニュに詳しい」ことを演出する切り札になる。

    シャンパーニュのマニアは、「ネゴシアン物は、高品質だけど面白味がない。レコルタン物は当たり外れはあるけれど、物凄く個性的だよ」と、レコルタンに飛びつく。レコルタン物の中で、「とてもスタイリッシュで希少価値が大」とワイン通から圧倒的な支持を受けているのがアンリ・ジローだ。「安里次郎」と漢字で書けそう字面だが、原語はHenri Giraud。これをアンリ・ジローと読めるとめちゃくちゃカッコイイ。

    アンリ・ジローの特徴は、樽熟成させること。大部分の生産者がステンレス・タンクを使う中、熟成庫に木樽がごろごろしているメゾンは、数千の生産者の中で1ダースぐらいしかない。また、黒ブドウを主体にした芯のしっかりした作りをしているので、宝塚の長身の男役トップが、全身にスポットライトと2,000人の熱い視線を浴び、タキシード姿で踊るようにスタイリッシュだ。モナコ王室や英国王室の御用達でもある。

   アンリ・ジローのラインナップは、エスプリ、コード・ノワール、フュ・ド・シェーヌなど10種類前後ある。最廉価のエスプリは8,000円前後なので、価格的にはネゴシアン物のシャンパーニュと変わらないが、希少価値とマニアックさ、エレガントさでは圧勝。野球の試合なら12対0というところか?
 アンリ・ジローは、「白いカラス」のように、なかなかお目にかからないが、それを逆用してイイ女度を上げる方法がある。レストランやワイン・バーへ行った時、シャンパーニュ・リストにアンリ・ジローがないことを確認してから、「私、アンリ・ジローを飲みたいんですけど、この中でそれに近いのをおススメいただけませんか?」と言えばいい。
 魔法の言葉、アンリ・ジローを切り札として正しく悪用し、イイ女に磨きをかけてほしい。

商品ライナップ

輸入元 KFW HENRI GIRAUD株式会社 【http://www.henrigiraud.jp

ライター葉山考太郎

時間と金と人間関係を犠牲にシャンパンを偏愛するワイン・ライター。ワインの年間純飲酒量は400リットル超。2010年にシャンパーニュ騎士団オフィシエを受章。『ヴィノテーク』『神の雫』『シグネチャー』『財界さっぽろ』『ふらんす』等にコラムを連載。主な著書は、『30分で一生使えるワイン術(ポプラ社)』、『今夜使えるワインの小ネタ(講談社)』。

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